「ガラホ」は最強の携帯端末?

近頃では折り畳み式の携帯電話…いわゆる「ガラケー」はすっかりみかけなくなったと思われますが、その利用者については、いよいよスマホへの移行が始まっている様です。
また、キャリア各社ではガラケーの利用者にスマホへの移行を勧めている状況でもあることが分かります。
但し、これらの携帯電話は従来の「ガラケー」ではなく、いわゆる「フューチャーフォン」(※多機能携帯電話)とも呼ばれ、その別名として「ガラホ」とも呼ばれています。

そんなわけで今回は、そのガラホに焦点を置き、また、それらを例に取り上げながら現代の進化について解説したいと思います。

なお、この記事は2024年4月より修正・更新しています。
そのため、内容が一部変わったりすることがあります。

・携帯端末の進化

そもそも「携帯」とは、「帯に携える」と書く。
つまり、そこに携えておき、なおかつ携行できるものをいう。
前述の折り畳み式の携帯電話は、まさにそれだけコンパクトで、また、掌に収まる携帯として永く利用され続けてきた。
考えてみれば、確かにそれが普及し始めたころは画期的といえたかもしれない。
また、そのサイズだけでなくデザインも多彩で、中には高機能なものも多かった様だ。

さて、その特徴としては電話だけの用途ではなく、後にパソコンでしか実現できなかったメールの機能も搭載され、さらにインターネットもできるようになった。(※但し当時はあくまでも「携帯版」)
また、後に本体内部にデジタルカメラが内蔵され、手軽にカメラ撮影も可能となった。
現在スマートフォン(※以下、「スマホ」と略)を利用している方々の中には、「写メール」…通称「写メ」という言葉を聞いたことがあるだろう。(※当時の「JPhone」 / 後のソフトバンクから発祥した造語といわれている)
それから後に、たとえばNTTドコモであれば「iアプリ」、au(※「KDDI」 / 当時)の「EZWeb」など、ゲームなどちょっとした「アプリ」を楽しむこともできるようになった。

その例を挙げれば、たとえば一昔前のアーケードゲームなども多数移植され、当時の小さな画面といえども随分とデキの良い作品も多かった。(※株式会社ナムコ / 現・バンダイナムコの往年の名作・「ゼビウス」も移植されていた)
それらが後に現在のスマホに対応となったわけだが…画面が大きく精細になり、あたりまえのことながら、前述のゲームも快適に、しかもそれらに対応したアレンジ版で遊べるようにもなった。
そんなゲームも携帯そのもののハードウェアの進化によって、映像や音声、果てはネットに対応したものも出回るようになった。
そして…「ポケモンGO!」など、現代では端末のGPS機能(※位置情報)を活用したバーチャルなゲームも手軽に楽しめるようになったというわけだ。

追記事項

余談だが、当時のガラケーはテレビのワンセグ放送の受信やミュージックプレイヤーとしても利用できた。
実は少し前の機種では、実際に利用の契約(※「SIMM」の差し込み)をせずにワンセグの視聴が可能なものもある。
また、ワンセグ放送については、政府はNHKの視聴に限り、受信料の支払い対象となることを決めている。


・ガラケーが根強く残るワケ

前述のとおり、ガラケーの利用者は、現在スマホへの移行を進めている方もいる。
また、携帯ショップに行き機種変更などを希望すれば、たいがいはスマホへの乗り換えを勧められることが多いだろう。
しかし、それでも「ガラケー」の方がいい!…と、言い切る方もいる。
それは一体なぜなのだろうか?
その答えは様々と思われるが、たいがいはその「手軽さ」にあるといえる。
なにしろ電話の機能やメールはもとより、ささやかながらネットも使用できる。
但しそれは、端末本体の画面が著しく小さいので見辛い…のだが、作者(※自分)としては、その手軽さのほかにまだ幾つかいえることがある。
その一つが、利用料金だ。

前述のように、ガラケーでは画面のサイズも影響はするが、ネット使用では、その情報量というものはスマホに比べれば極端に少ない。
これは、内部に搭載されたブラウザの機構と、取り扱うその情報量にある。
実際のところ、その情報量はスマホに比べておよそ何分の1かで済む。
それゆえに、ネットのページを観ても、さほど利用料金はかからないのだ。(※但し、端末専用の画面で観た場合)
…ということは、月々の利用料金そのものが安く済むというわけである。
実は作者も以前はガラケーを永く使っていたが…幾らか必要なページをみても、そのデータの使用量や利用料金は、さほどかからなかった…と記憶している。

次にその本体の大きさと重量だ。
ガラケーはスマホに比べて軽量なものが多い。
作者もかつて使用していたNECの「N-01E」(※画像)などは130gほどで、とにかく軽かった記憶がある。
なお、これはスマホの本体にもよるのだが、作者のその基準としては、だいたいこの130gをボーダーラインとしている。
そんなわけで作者の知る限り、スマホで本体が一番軽量と思ったのは、以前ソフトバンクから提供されていた、


京セラの「DIGNO」が挙げられるが、そのほかは平均して145~150gであった。
それ以上であれば、かなり重量があることが分かるはずだ。(「ずっしり」…というイメージか)
ここで前述した「帯に携える」の言葉の意味を考えるとしたら…ガラケーは常にポケットに入れても邪魔にはならないということになる。(ガラケーにも重たいものはありはするが)

さて、次はその操作性だ。
ガラケーは操作において、スマホとは大きな違いというものがある。
それは…タッチ画面のような「フリック操作」ではなく、パソコンのように、ある意味キーボードを押して操作するという点だ。
実はこれが、意外に我々の世代(※…とはいわないが)には、しっくりとくるものがあるのだ。
たとえば最近のガラケーでいえば…パソコンのように画面上に矢印が表示され、それで画面上の必要項目を選択することもできた。
勿論、いうまでもなく一般的な文字の入力は従来通りだ。
余談だが、この方が打ち間違いをしなくて済む…という方もいる。
なにはともあれ、不便といえば…やはり画面が小さくて見辛い点だろう。

追記事項

現在ガラケーを利用していて、本体内にたくさんの画像を保存されている人をよくみかける。
これはNTTドコモなど、携帯のメーカー各社にもよるのだが、ガラケーとパソコンを連携させるソフトウェアも用意されているので、それらを利用してパソコンに保存しておくとよい。
また、それらをパソコンからフラッシュメモリなどに保存して写真店などに持っていけば、手軽に写真にしてもらえるはずだ。(あたりまえのことだが料金は必要 → ※但し2023年6月現在、それをやっている店があるかどうかは不明)
そうすることにより、ガラケーの本体内の撮影データの整理・節約にもなるし、効率的でもある。


・ガラケーから進化した「ガラホ」

…では、いよいよいまどきのガラケー…いわゆる「ガラホ」について触れてみよう。(画像はNTTドコモの「SH-02L」)
以前ソフトバンクが、「ハイブリッド携帯」という名称で、ちょっと変わったガラケーを販売していた経緯がある。
これは作者も記憶の限りだが、確かメーカーはシャープで、「AQUOSフォン」という名称だったのだが…外見はガラケー、しかし…中身はスマホというものだった。
また、後にこれらは他メーカーである「au」、そして、「NTTドコモ」でも一部の機種で採用されるようになった。
ちなみにauでは人気機種だった「Gショックケータイ」も、この機構に対応したものもあった。(…と記憶しているのだが)
そしてこれらの端末は、後に前述した通称「ガラホ」とも呼ばれるようになったわけだ。

そんなわけで、実は作者はこのガラホを所有している。
但し、現在は使用していない。(※ある意味のツールとしては使用中)
しかしその使い勝手はというと…実に便利ではある。
…というか、これまでガラケーを使用していた方がスマホにするよりも、こちらの方がオススメだともいえる。
なぜなら、本体の外観はガラケーではあるのだが、その内部の機能は基本的に「Android」…つまり、そのOSで管理されているからだ。
その大きな特徴としては、ほかの記事でも掲載している通り、いまどきのパソコンやスマホのように公衆の「WiFi」を利用することができ、また、テザリングの機能も有していることである。
つまり…無線LANのアクセスポイントとしても使用することができるし、さらにパソコンとの連携もできる…というわけなのだ。
そのほか、スマホのように本体の更新(※アップデート)は頻繁に行われることはなく、そこそこに長期のあいだのスパンでそれが行われるということだ。
また、通常待機の状態であっても、内部のアプリの設定によっては、その更新時の動作を抑えることも可能だ。
…ということは、それだけ利用料金を節約することができる…というわけなのだ。
たとえば仮に本体そのもの(※一部のアップデート)に関連した更新で、かつ、その容量が大きいのであれば、公衆のWiFiスポットなどに行けばいいということになる。(※キャリアのショップにはWiFiが用意されているので、そこでゆっくりと更新すれば、利用料金の大きな節約となる)
但し、公衆のWiFiの利用においては注意が必要である。
これは、「セキュリティのないアクセスポイント」のことを指す。
できるなら前述の様に、きちんと自分が所有する端末のキャリアが提供するWiFiを利用する方が安全といえるだろう。
なお、キャリア各社ではセキュリティのサービスも提供されているので、それを利用するのも手だと言える。(※但し一部のWiFiにおいては契約が必要)

…しかしこのガラホ、そんな利点がある一方、実はある大きな制限というものがある。
それは、スマホのようにアプリそのものをダウンロードすることはできないことだ。
これは内部の機能が、ある意味「制限されている」ということである。
また、「PDF」形式のファイルや、文字のみの「テキスト」形式のファイルを取り扱う場合、「Acrobat」などのビューアの機能が搭載されてはいるものの、これらの修正(※エディット)は一切できないということらしい。

そのほかガラホには、各種の内部の機能と、ネットなどを使用するうえでのその操作方法にも大きな制限がある。
それは、通常ガラホの画面は小さく、直接画面にタッチして操作する「フリック操作」を行うことはできない。
…では、どのように操作するのか?
これは前述したように従来のガラケーの様にキーで操作することや、ネットなどの使用時には、画面上で「ポインタ」と呼ばれる矢印を操作して行う。(※矢印の操作は二種類ある)
ところで何度もいうように、ガラケーやガラホの画面は小さくて狭い。
しかし…。
ガラホにはネットの使用について、新たな機能が加わっている。
それは、ページを「パソコンのようにみられる」点であり、「拡大・縮小」という機能が用意されていることだ。
まぁそれでも、一部の表示なのでやはり見辛いといえば見辛いが…この手のサイズでスマホと変わらない機能が実現しているのはスゴいことといえるし、これが従来のガラケーとの大きな違いでもある。

さて、幾つか大きな制限について説明したが、その制限というものを逆手に取ることもできる。
それは、ガラホならではの機能を活用することだ。
その一つが、ガラホを「無線ルーター」代わりに使って、ネットをするというものだ。
但し、これはごく一般的な使用方法ではないし、ある意味効率的でもない。
また、たとえば使用しているパソコンに最新のOSがインストールされたものでは使ってはいけないということだ。
なぜなら、同OSは更新(アップデート)の頻度が高く、ネットに接続されれば、すぐに更新が始まるからである。(勿論パソコン側で設定すれば更新を止める方法もある)
それでも容量の少ないアップデートならば、活用はできるはずだ。
ただ効率は決して良いとは言えないが、携帯の通常の契約回線を使用するわけだから、公衆のWiFiによる通信に比べれば、はるかに安全な方法ともいえる。
だから、より安全にネットを楽しむことができるというわけだ。
また、これは従来のガラケーでは実現できない機能でもある…ということだ。

追記事項

解説が後になってしまったが、本体のバッテリーの保ちは、そこそこによい。


・最後に…

以上の通りガラホは、以前のガラケーに比べて確かに高機能になった。
だが…。
その分、これまでに内蔵されていた機能が大幅に廃止され、たとえばワンセグでは録画機能が廃止されるなど、従来の機能において細かい部分がそれぞれ廃止となった。
作者が以前使用していたガラケーで便利な機能と思ったものは…意外にも、国語辞典や英和・和英辞典の機能であった。
ちなみにこの機能は、端末内でネット接続を必要としない、いわゆる内部の機能として搭載されていたものだ。
…まぁ文章を書くということにおいては、随分と重宝していただけに残念である。
もっとも、ネットで辞書を使うことも可能ではあるが、一語ごとにわざわざネット接続をするのは少しどうかと思う。

そんなわけで…。
いままでガラケーを使用していて、スマホへの乗り換えを検討、または進めている方も多くいらっしゃることだろう。
また、前述したようにガラホへの乗り換えを考えている方もいる。
ただ、ここで重要なことを一つ、書いておこう。
ガラホはスマホに比べて、その操作や機能の面においては、かなり劣ると思う。
しかし…。
前述したアプリのダウンロードができないということが、逆にセキュリティ面では安心して使用することができるといえる。
なぜなら…よくある第三者のスマホに対するいたずらは防ぐことができるということであり、これは、不正なアプリの自動インストール、或いは乗っ取りなどを防御できるということだ。
通常のスマホであれば、今のご時世、何かおかしなアプリを勝手にインストールされていた…ということはめずらしくないことだ。
また、iPhoneのようなスマホであれば、いつでも遠隔操作されてもおかしくはない。(詳しくは書かないが、Bluetoothなど、接触通信を使用した悪質なものがあるときく)
そういった点については、ガラホは影響を受けにくく、安心して使用できるということである。

追記事項

ガラホであれスマホであれ、何らかのセキュリティ対策を施しておくことはいいことである。
たとえばNTTドコモなら、スマホ用に「あんしんセキュリティ」というアプリが用意されているが、利用契約をすればガラホでもそのアプリが適用されるようになる。
したがって、こういったアプリ(サービス)には、あらかじめ加入しておくことを強くお勧めしておく。
なお、ガラホにもスマホと同じく、開発者のためのモードが用意されており、パソコンで使用できるツール類を介して内蔵アプリの削除などができることをここに書いておこう。(※その関連事項については、ほかのサイトにて公開されているので、そちらをご覧いただくとよい)


・2023年度 補足事項 (※この部分は、同年度8月初旬に更新されました)

さて、この記事で紹介したガラホについてだが、一旦この記事を公開した後、新たな事実が判ったので補足しておこうか。
まず前述のように、ガラホはスマホとほぼ同じ構造をもっている。(Android OSを使用しているのは同じ)
つまり、アプリをインストールすることはできなくとも、パソコンなどを使って出来合いのアプリそのものを転送することは可能なようだ。
…ただ、その詳細は今後記事として取り上げる予定だが、アプリは一般的な公式サイトよりダウンロードするものだが、時に「野良サイト」と呼ばれる場所からアプリをダウンロードすることも可能である。
しかし…このようなサイトへの接続、そしてアプリのダウンロードは絶対に避けておいた方がよい。
なぜなら、接続された端末から情報が抜き取られてしまうことはめずらしくないからだ。(正確にはダウンロード先に、ある程度の利用者についての情報が判明する…ということ)
また、よくある「フイッシング詐欺」にもなりかねない。
「このアプリを使えば…」という名目で、ダウンロードを煽る文言もあるので、その点についてもご注意いただきたい。
もっとも…。
この記事で掲載している通り、基本的にガラホは外部からアプリをダウンロードすることを前提に設計されてはいない
但し「ウデのある人間」…だったとしたら、ガラホもスマホと同じような扱い方はできるのかもしれないが、それについてはトラブルのもととなるので、ここでは掲載しないことにする。