業務知識を勉強しながらCADを使用する

こちらでは、パソコンのソフトウェアを使用した実践入門について解説しています。
今回は、その昔、作者が実務で使用していたCADについてご紹介します。

ご注意
この記事は、当時作者が仕事をするうえでの予備知識についてノートにまとめたものを、このページの掲載用の記事として新たに編集したものです。
また、CADソフトウェアそのものの操作方法の解説ではありません。

・CADの概要

IT関連の仕事に限ったことではないが…いきなりこれまでにやったことのない仕事をしなければならないときがある。
いわば、ある程度の予備知識の学習というものを通り過ぎて、実践しながら仕事を行う…ということでもある。
(IT)エンジニアとしては、時々そんな厄介な場面に直面することがある。
たとえば専門の業務のために特別に開発されたソフトウェアや、そのシステムの運用を任された場合だ。
これらは自治体をはじめ、その専門機関に多く導入されているものだが、いかんせん、きちんとした予備知識がなければ使いこなすことができない。

さて…そんな「予備知識が必要」な、ITに関する仕事がある。
それは、ソフトウェアの開発などではなく、特定の業務において「ソフトウェアそのものを使いこなす、オペレーション業務」だ。
その一つとして挙げられるのが…コンピュータによる設計業務(※正確には「支援設計」)…「CAD」(※「Computer Aided Design」の略)である。

ところでCADは主に「工業製品」や「建築構造物」の設計に多く使用されている。
また、現代ではそのほかの分野にも多く利用されている様だ。(※作者が好きだった、あの「ガンプラ」の部品構造も、CADで作られている)
昔当時は平面図のみだったそれも、いまでは3Dなど立体図にも対応している。
なお、以前は専用の「ワークステーション端末」でしかできなかったそれも、現在ではパソコンで実現できる様にもなっている。


・今回使用するCADについて

かなり昔の話になるが…作者が初めて使用したCADは、どちらかといえば「機械設計」用のものだった。
…とはいっても、正確にはロボットの開発のための、その関連した資料を作るために使用したものであったのだが、当時は趣味で「グラフィックツール」というものを使っており、多分同じようなものだろう…と思っていたら、随分と手痛い目に遭い弱った覚えがある。(いま考えれば、随分と無謀だった…)

ところでその当時は既に、専用のワークステーション端末ではなく、パソコンでCADが利用できる様になっていた。(ちなみに画像は当時、作者が撮影したもの)
いまこそマウスによる操作は当たり前だが…当時にしては大画面の「CRT」と、多機能な専用のキーボードというのは、やはり随分と専門的なものだったのだな…と思った。
…ただ、画像では見えないが、巨大な印刷装置…「プロッタ」というものをみたのは、生れて初めてだったのも、忘れられない思い出かもしれない。

さて、今回解説するCADについてだが…実際にはあまりに古すぎて用意できないので、前述の通り、作者の書き残したノートから編集した、この記事の上での解説のみとなる。
…とはいっても、正確には当時「Windows Me」上で動作していた、「AutoCADLT 2000i」の体験版をベースにしながら解説する。(※同シリーズなら、古くても何かと活用できるのではないかと思うのだが…)
また、今回例題として挙げる業種は、「土木」関連である。


知っておくとよい基礎知識

最初にお断りしておくが、専門的な知識については、やはりその仕事に従事していないと分かるものではない。
ましてや、今回例として挙げた土木に関しては、きちんとした資格試験もあるわけなので、作者のこの解説は本当に基礎的なこと(※或いは専門家から言えば、それ以下の知識)で、知り得る限りの事となる。

そんなわけで、まずは左の画像の図面である。
これは、ある地形を表したものの一部である。(※図面は作者が架空のものとして描いたもの)
画像に数字がふられているが…これらを順番に解説すると、まず①は「ため池」のようなものと考えていただくとよい。
…ということは、おのずとその周りの(※地形の)構造はどういったものなのかを理解することができるだろう。
たいていは斜面になっており、その構造を③の部分が表している
解説が前後するが、②の部分は単純に「道」を表している…ということになる。
基本というわけではないが、当時作者が最初に覚えたのは、こんな図面からだった。

それでは前述の③の部分…斜面の部分を拡大したのが左の画像である。
ご覧の通り、それぞれの製図で上下を表しているのがお分かりであろうか?
ポイントは、画像の赤線の部分である。
また、この図形の事を「法面」(※「のりめん」と読む)といい、人工的に作られた斜面のことを言うらしい。
(ほかにも「断面図」という図面があるが、それらと照らし合わせてみるとよく分かるだろう)

次に、少し分かりづらいかもしれないが…左の画像は、「段々畑」…のような地形を表している
前述した斜面の図形を考えると、下に行くにつれて、どんどんその形が階段のように下がっていることを表している。

それでは次に、「」の表示だが…これは「標高」…いわゆる、その地点の高さを表している。
これは図形ではよく分からないが、右側から左側にかけて、「左に向かって低くなっている」…というのが分かる。
また、これはおそらくそこぞこで、その処理方法が異なると思うが、たとえば「・」のあいだの高さを測りたい…という場合は、画像の「×」印を基準として…

(420.79 + 422.76)÷2

…で、算出する。(※およそのところで、「421.775」となるが、あくまでも確実な方法ではないかもしれない)
このように、計算の知識も必要となる場合もある。(※当時作者は、別記事で解説している「関数電卓」や「ポケットコンピュータ」を職場に持ち込み、いつも手元においていたものだった)

次に左の画像だが、これは段差にあたる部分に石が積まれている…いわゆる「石積み」を表す。
但し、こちらも前述と同じ、「上下」というものがあるので注意が必要だ。
また、実際の図面では、「水路」など、ほかの図面が一緒に描かれる場合もある。

補足事項

当時作者がやっていた仕事は、あくまでも「図面の修正」程度のものだった。
つまり、最初から図面を描く…ということではなく、実際には、たとえば現地で測量(※最近は「GPS」なども使用される)などを行ったその結果をあらかじめ図面にしたものからの作業であった。


・当時使用したソフトウェアについて

さて、当時使用したCADについてだが、前述の通り「AutoCADLT 2000i」(または当時の最新バージョン)を使用していた。
但し、作者が操作方法などの習得のために使用したのは、あくまでも体験版であり、これは永久的に使用することはできない。(※現代のパソコンにインストールすることもできない)
したがって、その画面などのスナップと共に何か解説できればいいのだが、それができないので、とりあえず前述の通り、作者のノートにまとめていた同ソフトウェアを使う上での幾つかのポイントを、ここに掲載しておこうと思う。

…まず一番最初から作図を行う際には、「レイアウト」の設定を行う。
これは文書作成(※ワードなど)でいえば、いわゆる「書式設定」のことだ。
ここで「尺度」やその「単位」を設定していくわけだが、これが正しく設定されていないと、実際にその長さや寸法などをキーボードから入力することができないし、図面上で面積計算の処理を行ったとき、正しく計算が行われない。
なお、単位換算の方法(※たとえば1,000mm → 1mといったこと)を覚えておくとよい。

次に作図を行う際の(※一般には「垂直線」や「水平線」ともいう)の描き方に関連するが、「延長」と「トリム」の使い分けができる様になること。
これらは単純に、線を延ばしたり、その一部を消去することである。
また、線の作図方法で「引き出し線」や「寸法線」を引く方法とその加工の方法など。
その詳細は、ここでは解説できないので、それこそ現代の同ソフトウェアの参考書籍などをご覧いただくと良い。
次に、前述した線など作図した図形そのものの、いわゆる「コピペ」。
例えば同じような位置へ図形をコピーする場合、「基点コピー」や「連続コピー」といったものを使用すると便利である。

さらに、この機能は当時もっとも重宝した機能だったのだが、「ON SNAP」機能の活用。
これは、「端点」や「交点」の検出に役立つものだが、よく使う機能なので覚えておくと良い。
そのほか、およそ合わせようなのない「角度を合わす」方法などを覚えておくと、作図の際に活用することができる。

補足事項

今回例に挙げたAutoCADLT 2000i(※体験版)だが、当時は「CD-ROM」に収録され、参考書籍に添付されていた。
それからしばらくは、これらの体験版が添付された参考書籍が幾らか販売されていたが、現在では体験版についてはソフトメーカーのサイトにて、ダウンロードのみの対応となっている様だ。(※さらに有料となっているので注意)
また、現代の参考書籍にも付録として「DVD-ROM」が添付されているものもあるが…体験版そのものは収録されていないので注意が必要である。


※この記事はまだ編集中です…